報恩講料理

報恩講料理

伝統食を味わう

浄土真宗開祖・親鸞聖人(しんらんしょうにん)の命日(旧暦11月28日)前後、その遺徳をしのんで営む「報恩講(ほうおんこう)」は、真宗を心のよりどころとする五箇山の人々にとって1年で最も大切な仏事といえます。親類縁者を招き、ともに念仏を唱え、僧の説教に耳を傾ける…その後、集った人々をもてなすために用意されるのが報恩講料理です。

報恩講のもてなしの準備は、春まだ浅い頃から始まります。雪解けの山に芽吹くワラビやゼンマイなどの山菜は、良いものは取り分け、普段用とは別に保存します。豆やイモ、野菜などもその年に収穫した中で一番出来の良いものを、大切にとっておくのが五箇山では当たり前のこと。報恩講では、これらのまさにとっておきの食材を丹精こめて料理し、鮮やかな朱塗りの膳に並べます。

料理の内容は地域や家により多少違いますが、五箇山豆腐が入ったおひら(煮しめ)、中盛り(ゼンマイのからし和え)、つぼ(金時豆またササギ豆の甘煮)、じんだ(ひいた青豆のあえ物)、こじり(しいたけ・ニンジン・こんにゃく・豆腐・スス竹などの煮物)に、白いごはんと小豆おつけ等

どの料理も器にあふれんばかりに盛りつけるのが報恩講の習わしです。それは五箇山の人々の親鸞聖人への深い敬愛とともに、大らかなもてなしの心を物語っています。